仮説検証力とは何か?

・仮説検証とは何か?

「仮説検証」とは、「まずは相手の疑問すなわち論点を洗い出し、仮の答えを推測したうえで、それに対して応えるための客観的な証拠を準備すること」である。

 

相手の疑問点(論点)が分かっていないと、とにかくシラミ潰しに答えられる質問項目全てに答えていくしか無い。

 

また相手の疑問を探り当てても、あてずっぽうな答えで証拠が伴っていなければ説得力はない。

 

仮説検証の5つのステップ

・相手の疑問を知る

①相手の目的の理解

相手が最終的に何を求めているのかを知ることがすべてのスタートポイントである。

 

目的理解には下記がポイント

1.議論のスタンスの取り方

→何か意思判断してもらいたい

→単に聞いてもらいたいだけ

 

2.相手の要望の理解

ここは極めて感覚的なスキル、つまり「相手の顔色やその場の雰囲気、過去の経緯、会話の流れなどのなかから、なんとなく察知していく」というアナログ的なスキル。ここの人間的なスキルを磨くことが、実は提案力の向上には欠かせない。

→よく聞く。事前に探りを入れておく。相手あってのコミュニケーション。相手の要求への理解が大事。

 

②論点の把握

相手の肝心の知りたいポイントを理解する。

 

まず相手の要望があり、相手に意思判断を求めるスタンスである前提で、「検討することによって、より良い意思判断ができる項目」。それが論点。すなわち重要な事であり議論のポイントになる。

=「相手の意思判断に影響をおよぼす判断項目」。

 

相手の意思判断を求める時に論点を外さないためには?

a.意思判断を求めるスタンスで話をしてるか?

 

b.相手の要求をきちんと理解できてるか?

事前に根回し、個別確認などで相手の要求を把握しておく。

 

c.相手の意思判断項目を洗い出せてるか?

言葉のレベル感を統一するために、出席者の視点や想定局面の前提を洗い出してそろえる。

「全体」をきちんと定義し、イメージをそろえた上で、検討のフレームワークを明確にする。

出席者の意見が、フレームワークのなかでどの位置付けになるのかを明確にし、漏れやダブりをなくす。

 

d.その項目に相手は確固たる答えをもっていないか?

会議の出席者がどのくらいの知識があるのかをきちんと把握しておく。

 

a.b.dはキチンと聞くというアナログスキルが必要。c.は論理思考力(漏れなく観点を汲む)が必要。公式にも非公式にもあらゆる手段を講じて相手の考えをよく理解しておくと同時に論理思考力を磨いておく。

 

・疑問に対する客観的な答えを準備する

③仮説の構築

話のポイントを理解した上で、こちらが「答えのヤマカン」を持つ。持たないと手当たり次第に答えを探さないといけなくなり膨大な時間がかかる。とにかくあてずっぽうでもいいから答えをぶつけてみて、相手の反応がよければそこを深掘すれば良い。

 

仮説とは、すなわち「論点に対する、ヤマカンの答え」である。

 

考える労力はこちらが受け持つ。

「ここでの選択肢はAかBかCだと思いますが、私はこういう理由からAが良いと思います。それでいかがでしょうか?」という形で常日頃から仮説をもった質問をするべき。

(すべての選択肢から、仮説を持ち選択肢を選び、示唆/答えにするために裏づけアリにする)

 

仮説を出すためには、なんらかの情報が必要。仮説は無から生まれない。

 

仮説を出すためには、論点を頭に入れ、つねに答えを意識しながら、情報を眺める。

 

縦横の論理が使いこなせれば、仮説が広がり、その精度も高まる。

 

④検証の実施

先ほど出した「ヤマカン」にすぎない答えに対して客観的な証拠をそろえる。

 

検証は、「仮説」が正しいかどうかをファクトと論理で証明すること。

 

検証を行うときは意図的に強いファクトを入れるように心がける。

 

⑤示唆の抽出

動かぬ証拠を元に相手の疑問に答える。

 

示唆を出すとは簡単に言えば、「自分の言いたいこと、結論をまとめる」という意味。

 

目的と論点をしっかり理解していれば、仮説そのものが検証できなくても、論点を絞り込む為の別の論理を考えたり、別の仮説を立てたり、別の検証作業を自ら設計したりして、なんとか最終的な示唆を出すことが可能になる。